よく日本は、町にゴミが無くて清潔で、治安も良くて過ごしやすい国だと言われます。実際に私も、海外旅行に行ってからはそう思うようになりました。街中にゴミはあっても生ごみは落ちていないし、野犬や変な人もほとんどいません。
そんな海外と日本の大きな違いとして、水道水が飲めるかどうかということがあります。
海外の水は硬水だからそのまま飲むとお腹を壊すだとか、不衛生なところの水は飲んじゃいけないとか、色々なうわさがありますよね。実際に海外旅行では、水が原因で下痢・嘔吐・腹痛などの体調不良におちいる人がたくさんいます。
国土交通省(2018)は、水道水をそのまま飲める国は日本を含めて9カ国、そのまま飲めるが注意が必要な国は21カ国だと発表しました。
日本を含めて9カ国しか、水道の水をそのまま飲める国はありません!
詳しくは、平成30年度版「日本の水資源の現況」
8月1日は #水の日
閲覧はこちら↓https://t.co/WERjkccbL1 pic.twitter.com/mMnEULONzM— 国土交通省 (@MLIT_JAPAN) 2018年8月17日
これまでは15カ国で飲めると書いていたようですが、6カ国も減少してしまいました。つまりほとんどの国では安全な水道水を飲むことができないということです。アメリカやイギリスなどの先進国でも、そのまま飲むことはできないんですね。
今回は海外の水の危険性やお腹を壊さない対策など、海外旅行で知っておきたい水情報を、実際に海外旅行に行った経験も交えながらまとめてみました。
個人的には9カ国以外の国でも水道水を飲めると思うので、そこの意見をまとめたところも参考にしてください。
Contents
国土交通省が発表している「水道水をそのまま飲める国」
1.アイスランド
2.アイルランド
3.スロベニア
4.デンマーク
5.ドイツ
6.フィンランド
7.ノルウェー
8.南アフリカ
9.日本
10.オーストリア
その他、都市としてシドニー(オーストラリア)とストックホルム(スウェーデン)
いきなりおかしなところがあることにお気づきでしょうか?水道水を飲める国は日本を含めて9カ国と言っていたはずなのに、なんか10カ国になってますよね。
私も9カ国だと思って、国土交通省の公開しているマップから国を書き出してみました。そうしたら、どうしても10カ国になってしまうんです。念のため10カ国それぞれについて、水道水を飲めるか調べてみたのですが、全ての国で飲めるようでした。
なので今回は、水道水をそのまま飲める国を10カ国とします。実は国土交通省が発表しているのは上のマップだけで、詳細な国名までは書いていないんですよね。なのでツイッターでつぶやく係の人が単純に数え間違えたのだと思います。ヨーロッパの所は拡大しないと分かりにくいので、デンマークかスロベニアあたりを見逃したんでしょうね。
選ばれた国を見てみると、アジアからは日本のみが選ばれています。旧版ではサウジアラビアも入っていたのですが、今回は飲めるが注意が必要な国になっていました。
他はシドニーと南アフリカ以外は、全てヨーロッパの国々です。北欧からはフィンランド・ノルウェー・ストックホルムの3つが入っていて、さすが福祉国家という感じですね。
あくまでも国土交通省の発表しているデータですが、上記の国以外で水道水をそのまま飲むのは避けたほうがいいでしょう。
海外の水道水はなぜ飲めない?
水道水が飲める国が少ないことは改めて分かりましたが、なぜ多くの国で水道水を飲むことができないのでしょうか?水道水を飲むことのできる国には、主に2つの特徴があります。
1.もともとの水質が悪い
発展途上国ではごみの投棄、工場排水、農薬汚染などによって、河川の水が飲めない状態になっているところも多く存在しています。ごみの投棄については、インドのガンジス川をイメージすると分かりやすいですね。
生活ごみや未処理の下水が流れ込み、異臭がただよって、水も黒ずんでいます。そのような川では浄水施設で処理された水であっても、飲み水のレベルまで回復させることは難しいのです。ガンジス川まではいかなくても、人間が飲めるレベルまで水質を回復できない川が世界中にはたくさんあるわけですね。
反対に安全に飲める国を見てみると、北欧やアイスランドなどでは氷河由来の水が得られたり、オーストリアではアルプスの湧き水が得られたりと恵まれた環境にあることが分かります。日本ではコンビニで売っているようなアルプスの天然水が、蛇口をひねれば出てくるなんてやらやましいですね。
2.水道施設の管理が行き届いていない
高度な水質処理場を作るろうとすると、どうしてもコストがかかっていしまいます。日本は国土面積が小さいので、インフラを整備することもできますが、国土が広いと水道管を敷くだけでも大変です。ましてやそれらを定期的に点検・修理するとなれば、膨大なコストがかかってしまうのです。
整備されていたとしても、適切な管理がされていない場合もあります。そのような所では、排水管や貯水タンクのひび割れから入った汚れや、排水管自体に発生しているさびなどが溶け出でくることも多いです。蛇口をひねったら茶色の水が出てくるパターンなどはこれが原因と考えられます。
一方の安全な水道水を飲める国々は、水道水の水質基準も厳格に定めているため水質が保証されています。もちろん貯水槽やは排水管などの水道設備も適切な管理をされている場合が多いです。
危険な水を飲んだらどんな症状が出る?
1.硬水を飲んだ場合
硬水とはカルシウムやマグネシウムなどのミネラルが豊富な水のことです。身近なものだとEvianや温泉水などが硬水ですね。
ミネラルには脂肪吸収を抑える、便秘改善効果があるなどの健康効果も期待されていますが、たくさん摂りすぎると悪影響を及ぼします。
基本的に海外は硬水の地域が多いです。その理由は地形にあります。日本の川は滝のようだと例えられるくらい急ですが、海外の川は傾斜も弱く、緩やかに流れるところが多いです。緩やかに流れると、その分だけ土や石から溶け出したミネラルが多く混じるので、硬水になってしまいます。
具体的には、ヨーロッパに硬水の地域が多いです。フランスなどはもともとが石灰質の土壌であることに加えて、平らな土地が多いので、一部の地域では水にミネラルが溶けすぎて、炭酸水が湧き出る場所まであるそうです。
ミネラルを取りすぎると、便秘改善効果が強まりすぎて、下痢を発症する可能性があります。たくさん飲まなくても、お腹が弱い人や、硬水に慣れていない子供などは特に気を付ける必要があるでしょう。
また硬水で顔を洗ったり、シャワーを浴びたりすると、肌が荒れたり、髪が傷みやすくなります。実際にヨーロッパの人は、数日に一回しか髪を洗わないという人も多いです。匂いをごまかすための香水がヨーロッパで発達したというのも納得できますね。
少し滞在するくらいなら問題ありませんが、長期滞在で気になる場合は軟水器を使いましょう。
2.不衛生な水を飲んだ場合
細菌やウィルスに汚染された水を飲むと、いわゆる食中毒になります。原因菌によって症状は様々ですが、代表的なのは下痢・嘔吐・腹痛・発熱などです。
私も海外で食中毒にかかったことがあるのですが、座るのもしんどいくらいの熱がでました。熱のある間は食欲もわかなかったので、ローカルフードも食べられず、観光地も思うように回れなかったので苦い思い出です。
通常の場合は2~3日で症状は収まる場合が多いですが、海外では環境の変化により体力が落ちていたり、多少しんどくても動いてしまう可能性があるので、長引くこともあります。私の場合は動き回っていたので10日間も熱がひきませんでした。短期旅行なら絶望的な期間ですよね。
水を飲んでもお腹を壊さないための対策
1.水が触れた物をそのまま食べない
水道水をそのまま飲むのはもってのほかですが、水が付着したものにも注意が必要です。
食品では、サラダやサンドイッチに使われている生野菜がそれです。洗った時の水がそのまま付いている可能性があります。
氷も見落とさないようにしましょう。お店のお冷以外にも、フルーツスムージーに入っていることが多いです。私が食中毒になった原因の候補の一つもパイナップルスムージーだと思っています。
東南アジアなどでは、氷の上にそのままフルーツを置いてあることがありますが、その場合は袋に入れたうえで置いてあるものを選んだ方が無難ですね。
2.水道水で歯磨きをしない
衛生状態の悪い国では、歯ブラシに付いた水でさえ食中毒の原因になる可能性があります。日本では考えられないようなことですが、ペットボトルの水で口をゆすいだ方が無難です。私も大丈夫だろうとは思いながらも、不衛生な宿に泊まるときにはそうしていました。
2.浄水ボトルを使う
水道水を飲めない国では、ミネラルウォーターを買うことになりますが、いつも水が手に入る環境にいるとは限りません。いちいち水を買うのもけっこうな出費です。オーストラリアでは500mlのペットボトルが300円程度もして、牛乳やコーラよりも高いそうですよ。
そんな感じの水が高い国に行く場合や、いちいち水を買うのが面倒な場合は浄水ボトルを使うのがオススメです。私が東南アジア旅行で知り合った人に教えてもらったのですが、浄水ボトルのフィルターを通すだけで、水道水が飲めるようになる便利グッズです。
ホテルの水道水を浄化して綺麗な水にすれば飲み放題になって、ミネラルウォーターを買う必要がなくなります。そうすればかなりの節約になりますし、ふと夜中に水が飲みたくなった時にも安心です。ひとまず一本あると、何かと使えて便利ですね。
本当に10カ国でしか水道水を飲めないのか
冒頭でも述べましたが、個人的にはあの10カ国以外でも水道水を飲んでも大丈夫な環境は存在すると思います。そもそもあの国土交通省のデータの取り方自体が不明なので、いまいち基準が分からないんですよね。
私が行った国で、水道水が飲めた国にはギリシャやアルバニアなどがありますが、国交省のマップではそのまま飲めない国とされています。おそらく田舎を含めた全体でみると、飲めないと言えるのかもしれませんが、観光でいくところなどは、インフラも整っていて飲めるところも多いはずです。
他にもアルプスの天然水の影響をもろに受けているスイスや、しっかりとした水質基準があって、インフラも整っているアメリカやイギリスの都市部も水道水を飲めるそうですよ。
つまりこの国交省のデータは、かなり厳しめなのか特殊な基準で選んだ可能性があるので、ここだけしか飲めないとは思わない方がよいでしょう。もちろん今回選ばれた10カ国は、もっとも信頼できるということですけどね。
ホテルの水が飲める場合には、張り紙がはってあったり、教えてくれたりするので、目的の国ごとに調べるか、行ってからホテルの人に聞いた方が確実です。
海外旅行前に知っておきたい水情報まとめ
- 紹介されている10カ国+2カ国の水道水はひとまず安全
- それ以外でも、都市部や観光地なら大丈夫な可能性がある
- 硬水は、腹痛・肌荒れ・髪を痛める原因になりうる
- 不衛生な水・氷に気をつける
- 出費や手間を考えると浄水ボトルもオススメ
海外の水事情は日本とは大きく異なります。基本的にはミネラルウォーターを買っておけば問題ありませんが、硬水による美容トラブル・不衛生な水による食中毒・意外とかさばる水の出費には気をつけましょう。
この記事が海外旅行の参考になれば幸いです。最後まで読んでくださってありがとうございました!
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