滋賀県の北、長浜市の余呉湖に近い場所に「菅山寺」という寺があります。
一般的にはあまり知られていませんが、
- 樹齢約1000年のケヤキの大木
- ブナの原生林
- 森に溶け込んだ廃寺
などが存在し、静かな空気を感じられる美しい場所です。
また、野鳥好きの間では、ある美しい鳥が見られる場所としても知られています。
今回はそんな菅山寺の観光情報を、行ってみた感想を添えながらまとめてみました。
Contents
滋賀県 「菅山寺」の見所
樹齢約1000年の大ケヤキと山門
樹高15m以上、幹の周囲は約5m以上のケヤキの大木が、山門の両隣に生えています。
その内の一本は台風で倒れてしまい、現在は上の写真のように一本しか立っていませんが、そちらの樹勢はまだまだあるようです。
伝承では樹齢が約1000年とされており、山門と巨木が並んだ荘厳な景色を見ることができます。
森に溶け込んだ廃寺群
▼本堂
▼宝蔵
▼護摩堂
菅山寺は菅原道真ゆかりの寺院であり、先のケヤキも道真が自ら植えたものとされています。
かつては僧房を105、末寺を70ほど抱えていた非常に大きな寺でしたが、現在は廃寺です。盛者必衰のロマンを感じますね。
寺の仏像や宝物はふもとの「公善館(坂口公民館)」に展示されています。拝観には事前に電話予約が必要です。
静かに佇む朱雀池
境内には大きさ20m四方程度の小さな池があります。
光が池の水に反射し、それが周りの木々にユラユラと映っている景色が美しかったです。
朱雀池と呼ばれるこの池には、コイ・アカハライモリ・モリアオガエルなどが生息しています。
野鳥好きの間では、初夏からアカショウビンというカワセミの仲間の美しい鳥が見られることでも有名です。
時期になると池の周りにはアカショウビン目当ての、バズーカのようなレンズを持った人達が並びます。
登山ハイキングルート紹介
菅山寺へは主に4つのハイキングルートがあります。頂上の駐車場で標高450m程度です。
1. 坂口参拝道
ふもとの坂口の集落から登る道です。
JR木ノ本駅もしくはJR余呉駅から余呉バスに乗り、「坂口」のバス停下車します。集落内の近江天満宮の鳥居が参道入口の目印です。
傾斜はそこそこありますが、比較的整備された道で登りやすい印象です。
私が行った際には、マムシさんを見ました。どのルートでもいると思うので踏まないように気を付けましょう。
所要時間 : 1.5時間 (約2km)
2. 赤子山参拝道 (ウッディパル余呉ルート)
ウッディパル余呉の駐車場から続く林道を登るコースです。
この道は車で登ることが可能で、標高450m程度の山頂の駐車場まで行くことができます。
車で登ることができるので一番手軽なルートですが、道は悪路です。
コンクリートが欠けてでこぼこした路面、車ではすれ違えないほどの細道、崖のそばにも関わらずガードレールの無い区間があるなど、険しい道なので、運転に自信の無い人は歩いた方が無難です。
私が行った際には、サルがフワフワと横断していったので動物にも注意。
山頂の駐車場には、10台程度が停められます。
駐車場から道なりに進むと、開けた気持ちの良い場所があり、余呉湖をチラッと見ることができます。
この場所では春と秋に鷹の渡りの観測も行われます。
所要時間 : 徒歩 約2時間 (約4km)
3. 大見裏参拝道
坂口の参拝道とは逆の裏から登る道で、いずれの駅からも登山口が最も遠いです。
JR木ノ本駅から湖国バスに乗り、「川合」バス停で下車。高時川沿いに約40分歩き、大見いこいの広場看板を目印に、大見橋を渡ると登山口です。
所要時間: バス停から約2時間(4km程度)
4. 木之本コース
木之本駅からすぐ東へ向かったところにある意富布良(おほふら)神社横から田上山を経由して登るルートです。
木之本の駅から登山口までは最も近いですが、以降は山の中を約5km歩くことになります。
途中、整備不足で道が分かりにくいところなどもあるので気を付けましょう。
菅山寺自体よりも、登山ハイキングを重視したい人にオススメ。
所要時間 : 約3時間 (5km程度)
それぞれの詳細なルートマップは以下のサイトよりダウンロードできます。
http://kitabiwako.jp/spot/spot_1071
分岐点以降のルート
大見裏参拝道以外の3ルートは、分岐点で合流し、そこから菅山寺へ一本道で降りていきます。
分岐点にはそれぞれのルートへの標識とベンチがあり、遠く余呉湖を眺めながら休憩できます。
菅山寺への道はひたすら下りです。そこそこ急な箇所もあるのでゆっくり下りましょう。
下っている途中では、ナチュラルに鹿に遭遇しました。お向かいの賤ヶ岳ではクマ注意の看板を見かけるのでここにもいそうですね。早朝に一人で登る方はクマ避けの鈴を持っていてもいいかもしれません。
道の脇には、仏様の石像が並んでいます。
道も整備されていてきれいですし、分岐点には標識が立っていて分かりやすいです。
池の周囲ではリスを見かけました。池の南側にはオニグルミが生えているので、秋にはそれらも食べるのでしょうね。
山門とケヤキの巨木、廃寺を見て、池の周りを回ったら、後はもと来た道をひたすら登ります。
谷底に菅山寺があるような地形なので、帰りはちょっと辛いですね。頑張りましょう。
菅山寺 観光情報まとめ
菅山寺に行ってみた感想は、とても静かで良いところだということです。
朝の10時頃に行きましたが、すれ違った人は一人だけでした。さほど有名ではないのと、アクセスのしにくさから観光客は少なめです。
誰もいないので、聞こえるのは鳥のさえずりと、落ち葉を踏む音だけ。都会の喧騒から逃れて癒されるには最適な場所でした。
最もオススメの季節は初夏です。朝には繁殖期の夏鳥たちがさえずり、群生したシャガの青白い花が咲きます。
湖北の山中にひっそりと佇む菅山寺。日頃の疲れを癒しに、静かな廃寺へ足を運んでみるのも、良いものですね。
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